こぶしファクトリー『シャララ!やれるはずさ/エエジャナイカ ニンジャナイカ』

℃-uteアンジュルムの例を持ち出すまでもなく、それなりの期間活動を続けていれば、どんなグループにも浮き沈みというものはあるものです。良い時期もあれば悪い時期もある。

デビューしてから順調すぎるくらい順調だったこぶしファクトリーは、今年春のライブツアーで初めて試練らしい試練にぶち当たりました。
相次ぐメンバーの体調不良で8人全員が揃わないという公演も多かったですし、何より藤井梨央ちゃんの卒業がツアー中に発表になるというとても大きな出来事がありました。
Progressive」というツアータイトル通りに、こぶしファクトリーの進化した姿をきっちり見せつけられた!広くアピールできた!というようなポジティブなムードにはなりづらかったというのが正直なところだと思います。

自ら「私はこぶしファクトリーのコメディエンヌ」と評していた通り、藤井梨央ちゃんは、こぶしファクトリーコメディリリーフ的な役割を一手に引き受けていたメンバーです。
『ドスコイ!ケンキョにダイタン』『押忍!こぶし魂』『バッチ来い!青春』の間奏でのコミカルな演技パート全てで彼女が活躍していました。
そういった定型的な場面以外でも発揮される彼女の明るさと「おふざけ」は、単に暑苦しく激しいだけではない、こぶしファクトリーのどこかコミカルでわちゃわちゃとした楽しく賑やかな雰囲気に深く寄与していました。
こぶしファクトリーこぶしファクトリーらしさ、独自性というのは藤井梨央(と悪ガキコンビの盟友田口夏実)がいたからこそ育まれたものだと思います。
非常に重要なメンバーなのです。
そんなメンバーがいなくなるのはこぶしファクトリーのグループとしての方向性を根本から揺るがすと言っても過言ではないくらいの出来事。
果たしてこぶしファクトリーは今後どうなってしまうのか・・・。
そんな不安のひとつやふたつ言いたくなってしまうところなのですがしかし、そんな状況の中でこぶしファクトリーに与えられたニューシングル『シャララ!やれるはずさ』はそんな不安を吹き飛ばしてしまうかのような前向きなパワーを持った曲でした。

その『シャララ!やれるはずさ』は、ギミックなしのストレートな切迫感溢れるパンクナンバー。
こぶしファクトリー楽曲に欠かせない青春感あふれるシンガロング風コーラスが今回も胸に迫ります。
これからのライブで定番になりそうなアンセム感もありますね。
青春時代の焦燥感を描きつつ、今のこぶしファクトリーの状況をしっかり踏まえた上で、綺麗事にならない、厳しくも愛のある激励になっているかのような部分もある歌詞も感動的です。

なんとなくネガティブにならざるおえないような状況の中で、そういう雰囲気を加速させてしまうような曲ではなく、まだまだ大丈夫だと前向きになれるような楽曲をもらったというのはこぶしファクトリーのメンバーにとっても、ファンにとってもすごくラッキーなことなのではないでしょうか。
もちろん藤丼がいなくなってしまうのはとても悲しいのですが・・・。
でもこれから別の道を歩んで行くことなる藤丼にとってもこの曲は応援歌になってるような気もするので、ほんとにこの曲で良かったなというのは凄く思いますね。

両A面のもう一方『エエジャナイカ ニンジャナイカ』は、昭和のコミックソングを思わせるような楽しい楽曲。
お馴染みの、こぶしを効かせた歌唱や演歌的ニュアンスを入れつつ、この曲では全体的にかわいらしさを強調した歌唱になってると思います。
なにげにこぶしファクトリー初のかわいい系シングルではないでしょうか。
好きですね。

SP盤に収録の『闇に抜け駆け』もカッコいい。この曲はパート割りがいいですね。

とにかくみんなが悔いなく9月2日を迎えられますように!