それぞれの道。 嗣永桃子『ありがとう おとももち』& PINK CRES.『crescendo』


ももちこと嗣永桃子さんが2017年6月30日をもってハロー!プロジェクトを卒業及び芸能界を引退しました。
ラストコンサートが終了した瞬間、ももちが小指を折り畳んでステージからいなくなった瞬間、自分でも信じられないくらい号泣してしまいまして・・・。
改めて自分にとって特別な存在だったのだと強く思った次第です。
知らない人もいると思いますが、かつて私はももちにガチ恋していたと言っても差し支えないくらいにファンだった時期があったのです!
ももちの愛らしい容姿と心の根底にあるピュアネス。それが基盤となった理想のアイドル像。その理想が周囲から理解されなかったり、間違った認識をされていたというような場面で見せてくれた隠しきれない心の揺らぎやほころび。平成の松田聖子になりたいという壮大な夢を何のてらいもなく語ってくれたところ。その全てが可愛らしく愛しかったですねぇ・・・。
そして何より握手会で真剣に想いを伝えたらきちんとその想いに答えてくれるような反応をくれたところですかね。自分がももちのことを好きだった時代は今みたいに握手会が頻繁には行われていなかったので、自分も1回1回の握手に対して真剣勝負!誠実な態度でのぞめていたと思います。あの時代は自分もヲタクとしてピュアだった!
ほんとに大切な思い出がたくさんあります。ももちありがとう!

そんなももちの卒業を記念したソロアルバム 『ありがとうおとももち』がラストコンサートの前々日に豪華3枚組でリリースされました。
Disc1はももち自身が選曲した楽曲のソロカバー集。
1曲目の『がんばっちゃえ』
この曲にはハロプロキッズたちのコーラスというかガヤが当時のオリジナルのまま収録されています。
成長した大人ももちとオリジナルリリース当時のキッズももちの時空を越えた本人同士の共演になんともいえない感動を覚えます。
よくよく考えれば、大人になったかつてのハロプロキッズたちが『がんばっちゃえ』を歌う機会は何度かあったんですよね。その度にこの時空を越えた本人たち同士の共演が実現していたという重大な事実があったことに今さらながら気づきました。
残っている映像を改めて見直してみたくなりましたね。
この時空をこえた本人同士の共演は『恋はひっぱりだこ』でも実現しています!
その他で注目は『もしも…』ですかね。
台詞のどれもがももちらしさを発揮していて最高ですが、特に「全部許しちゃうんだなぁ 」がかわいさ100万点をたたきだしていると思います!
カバーの他に新曲が1曲。つんく♂が書き下ろした、ストレートなロッカバラート風卒業ソング『ももち!ずっとおとももち』
℃-uteのTo Tomorrowもそうですが、適度に肩の力の抜けた軽やかな雰囲気がかえってグッとくる。良いですね。
すべての曲で成長したももちの美声が余すところなく堪能できる、歌手ももちの集大成的な1枚。
歌手ももちが好きな人たちにとって家宝となることでしょう!

Disc2はカントリーガールズ初音源化楽曲を集めた1枚。
正直言えばカントリーガールズはカントリーガールズとして独立した形でアルバムを作るべきだと思うので、こういう形になってしまったのは少し残念ではあります。
最初からカントリーガールズはももちありきのグループだったというのが事務所の考えであるということがこういう所からも読み取れますね。
しかしながらここに収録されている楽曲たちに罪はありません。粒ぞろいの良曲揃いでとても楽しめます!
まず冒頭2曲、残るカントリーガールズメンバーからももちへ贈るメッセージ台詞からサビメロへ。という構成の卒業送り出しソング『アイドル卒業注意事項』『明日からはおもかげ』が泣ける!
『アイドル卒業注意事項』は卒業式での在校生送辞風。
笑いの要素がかなり強くお涙頂戴的な雰囲気は微塵もないのになぜか最終的には笑いながら泣けてくるという代物。
台詞部分の「ももちいじり」がよく練られていて愛を感じさせてくれるのが素晴らしいです。
カントリーガールズメンバー自身がリコーダーやピアニカ、アコーディオン、タンバリンの演奏で参加している、オケの暖かみのある手作り感もまた良い!
一方の『明日からはおもかげ』は大々的にではなくひっそりと手渡す手紙。といった素朴な佇まい。
心にじわっと染みてくる切なさがとても良いですね。
あと注目はなんといってもラストに収録されているミッツ・マングローブ作詞作曲の『気ままな片想い』これがまさかの名曲!
ロネッツのBe My Babyを下敷きにした、しっとりとおしゃれかわいい1曲。ハロプロの系譜でいえば二期タンポポテイスト。ももちのリラックスした雰囲気の大人かわいい歌声がよく映えます。
大瀧詠一テイストなアレンジは高橋諭一氏。外さない!カントリーガールズの残るメンバーたちに、これからも歌い継いでいってほしいものです。
その他はライブではお馴染みになっていた楽曲の音源化。どれも粒ぞろいで良いのですが、特に好きなのはメロディーの強度が高い、作詞 児玉雨子、作曲編曲 加藤祐介によるアップテンポなカントリーウエスタン風『VIVA!!薔薇色の人生』ですかね。
間奏、ディズニーエレクトリックパレード風にガラッと場面が変わるところの、同じフレーズを繰り返していながら、音色を変えることでハッとさせる所なんか最高です。
あと歌詞の「懐古 革新 大賛成 私たち最高です」という部分がカントリーガールズというグループの魅力、存在意義を端的に伝えていて良いですね。カントリーガールズアンセムな1曲だと思います。

Disc3はファンの投票によって選ばれた楽曲のオリジナル音源が納められた嗣永桃子ベスト。
ももち自身が選曲したDisc1と曲被りが多いというところがポイント。
ファンとももちの思い入れが重なっていたんだという事実に感動しちゃいます。
気持ち通じあっていたんだなぁ(泣)


引退するという道を選んだももちに対し、かたや新グループを結成しアーティスト活動を続けるという道を選択したのは 、同じく元Berryz工房夏焼雅ちゃん。
その新グループ、PINK CRES.のデビューアルバム『crescendo』がももちのラストアルバムと同日に発売されました。
これが非常に充実した内容!
楽曲派ハロヲタなら必聴の1枚だと思いますよ!
アレンジがテイラー・スウィフトのShake it offを意識したかのような軽快でガーリーなポップ『fun fun fun』、ドラムンベース、リキッドファンク風なトラックに乗せて切ない恋心を歌った『ウワノソラ』、アメリカンパワーポップ風のアップテンポ『キレイ・カワイ・ミライ』、シンセサウンドなかに突如現れるアコースティックな温もりある音色が切なさを盛り上げるミドルテンポのバラード『片隅』、90年代の小室哲哉プロデュース楽曲を彷彿とさせるダンスチューン『Summer wonderland』あたりが特に良いですね。
おっさんダミ声コーラスが入ってくるあたりがつんく♂ワークスを思い起こさせずにいられないハードなEDM『Warning~未来警報~』まで収録する抜かりなさ(笑)
どの曲もサウンド的に今の時代のど真ん中を行くものと言って差し支えない、おしゃれなFMラジオ番組でかかっていてもおかしくないものになっていると思います。
そしてなにより雅ちゃんくらいの子の年相応の等身大な女子感をきちんと洗練された形で表現できているというのが良いですね。
大人になるということに対して、セクシー路線か地味で渋いものしか提示できなかったアップフロントがこんなに的確なディレクションができるようになるとは。
当たり前のことが当たり前にできるようになりました。時代は変わった!
パワフルな歌声が魅力な二瓶有加さん、揺るふわラップが破壊力のある小林ひかるさんと、雅ちゃん以外のメンバーふたりも個性をいきなり発揮できていて頼もしい限りです。良いグループだと思います!

PINK CRES.成功して欲しい!