なんちゅうブログ書いてるぅ YOU KNOW?

Hello!Projectを中心にアイドルソング、ガールズポップ、J-POPについての感想など書きます。

IZ*ONE『好きと言わせたい』

 

真っ先に結論から言ってしまえばIZ*ONE
の日本デビュー曲『好きと言わせたい』はやや期待外れな出来の楽曲といわざるおえません。
IZ*ONEの日本活動用の楽曲は秋元康プロデュース。というのはPRODUCE48が始まった時点での規定路線。
それについては今さらどうにもならないことだと理解しつつ、個人的には48、46系列の楽曲のテイストと同じような物が当てがわれたら嫌だなという、ずっと抱いていた不安が的中してしまった格好です。
メロディーやアレンジがどうとか言う以前の問題で、そもそもちょっとこの曲、時代遅れな感じがしてしまう。要は古くさい歌謡曲に聞こえちゃうんです。
K-POPアーティストがなぜ世界中で旋風を巻き起こしているかと言えば、それは今の時代の先端、ど真ん中を行くEDMやヒップホップのサウンドを取り入れて、欧米のアーティストと遜色ないクオリティの楽曲をパフォーマンスしているからです。
それと比較すると『好きと言わせたい』はそういう部分がまったくない。圧倒的にスケールが見劣りしてしまうような気がします。
日本での活動向けの楽曲なのだから別に日本国内でウケればいいという考えで、48、46系列の楽曲を作るときと何も変わらない、いつものシフトで曲を作っているのだとしたら、IZ*ONEという世界中にファンがいるグローバルな人気のアーティストを扱う態度してあまりにも志が低すぎるのでは?もっとはっきりいえばただの怠慢だと思います。
まぁK-POPアイドルが日本のアイドル的な楽曲をパフォーマンスすることの新鮮さ。みたいなものがあることは否定しないですが。
せめて歌割りに工夫、それぞれのメンバーのソロパートがもっとあればなぁ…。
メンバーのパフォーマンス、振り付け、MVは素晴らしくてそこは救いだと思います。
CD全タイプに収録のカップリング『ケンチャナヨ』もなんとも微妙で…。

とここまでならIZ*ONEの日本デビューに対して複雑な思いのままでずっと過ごしてしまうところでしたが、なかなかに良い収穫もきっちりありましたよ!

それが通常盤Aのみ収録の『ご機嫌サヨナラ』と、通常盤Bのみ収録の『猫になりたい』

いやぁこの2曲がほんとにいいんです!

『ご機嫌サヨナラ』はかわいらしい爽やかなダンスポップ。
きらびやかなシンセの音といい、きっちりダンスミュージックしているビートといい、ケレンミたっぷりの楽しいサビメロといい胸が踊ってきます。
ソロパートをリレーしていくところでエモーションが高まっていく終盤の展開も良い!
編曲を手掛けた早川博隆氏はPRODUCE48の課題曲でもあり、韓国でのデビューアルバム『Color*IZ』にも収録された『好きになっちゃうだろう』も手掛けた方。
なるほど。なかなか良く分かってらっしゃる方のようですね!

『猫なりたい』は、グッとテンポが抑え目で、シンセやリズムがシンコペーションしているムーンバートン風ナンバー。アンニュイな雰囲気の心地良さの中に、ほのかな切なさが隠れている感じが素晴らしい!
控え目ではありますが、表題曲では封じられているチョユリの伸びやかなボーカルが聴けるのも嬉しい限り。
今回のシングル収録曲の中では最も「今っぽい」サウンドの曲で、音楽的に『La Vie en Rose』に近いかな…。
作編曲を手掛けたShintaro Fujiwara氏のTwitterプロフィールを見ると、どうやらK-POPやEDMをきちんと消化しているクリエイターの方のようです。個人的には今後は表題曲もこの方に任せてみたら?と思います!

そしてさらに嬉しいことに『ご機嫌サヨナラ』と『猫になりたい』はMVまで作られていて、これが最高にかわいくて素晴らしいのですよ!
なんだかんだ、この2曲のおかげで表題曲のがっかりさが相殺されるどころか、ちょっとプラスに転じて、日本でのデビュー曲にまつわる色々な活動を晴れやかな気持ちで楽しめるようになったのだから、この2曲には本当に感謝ですね!