なんちゅうブログ書いてるぅ YOU KNOW?

Hello!Projectを中心にアイドルソング、ガールズポップ、J-POPについての感想など書きます。

全員ヒロイン!=LOVE『The 5th』

イコラブ10枚目シングルの表題曲『The 5th』は超王道のクリスマスソングになっています。

10枚目なのになぜタイトルが「5th」とややこしいことになっているのかという部分、熱心なファン以外には説明が必要なところですよね。

これ2枚目シングル『僕らの制服クリスマス』の歌詞の主人公カップルが4年後に5回目のクリスマスを迎えたことを描いた曲なんですね。5回目のクリスマスだから『The 5th』。そしてその4年、5回目のクリスマスという時間の経過は『僕らの制服クリスマス』リリースから今回の『The 5th』のリリースまでの間隔と同じなんですね。

初期の頃からのファンにとってはその月日の流れによってグループとメンバーの成長を感じて深い感慨を覚える曲なのでしょう。

今回のこの仕掛けは外向けにバーンと打ち出したものというよりは初期の頃から熱心に応援してくれたファンへ手渡す特別なプレゼントという感じでしょうか。 

小粒ながらも大事に愛でたくなる、ぬくもりと優しさに溢れた曲の佇まいもそれにふさわしいという感じがします。

どうせならこの歌詞のカップルが、またさらに月日が流れてどうなっていくのかをこれからも描いていってほしいなと思いますね。結婚とかしちゃうのかなぁ?

というところで表題曲の話は切り上げて、カップリング曲を熱く語らせてもらっていいですか?!今回もカップリング曲は3曲用意されたのですが、これが全部良いのです!

これまでのシングルのカップリングも良かったですが今回はこれまでに増して特に素晴らしいと思います!

まずは大谷映美里センターの楽曲派ホイホイな1曲『Poison Girl』

キャバレーミュージック的な大人な夜のムードと退廃的なムードを醸すクールなエレクトロスウィングナンバーです。かっこいい!

ミニマルなサウンドも今っぽくていいですね。

もはやこういった本格派なダンスナンバーもお手のものという感じで「Danger11」とポーズをキメてみても、とても様になってますし、グループとしての堂々たる風格がドーン!と伝わってきますね。

そして『Poison Girl』とは真逆の雰囲気なのが瀧脇笙古ちゃんセンターの爽やかなポップナンバー『BPM170の君へ』です。

なんの変哲もないストレートなポップナンバーなのに、特別な魔法がかかっているかのような輝きがこの曲に宿っているのは何故でしょうか?初めて聞いたときあまりの清々しさと爽やかさに胸が締め付けられて泣いてしまいました。

もちろんイコラブ文脈的にはメンバーのなかではどちらかというと歌もダンスも劣等生的な立ち位置で、メンバーで唯一センター楽曲をまだ貰っていなかった笙古ちゃんがついにセンターを掴んだ曲という感動もあると思います。

しかしそれも曲が良くなければ本物の感動とはならないわけで、この曲はそういう意味で最高の出来じゃないですかね?

歌詞の走る速度と恋する相手への想いの強さの上昇を音楽のテンポを現すBPMという言葉で表現したところの面白さもなかなかですが、個人的に歌詞でやはりグッと来てしまうのは

【君に会って なんとなく 変われたよな 気がするよ 自分の事 もっともっと 大切にしたいし 好きになりたいんだ】

というところです。

恋することで自分が見てきた世界が変わる、自分自身に対する気持ちも変わっていくという、副産物なんだけど、本当に大事なことを獲得することができる恋の素晴らしさを表現していて凄くいい。

指原Pの歌詞にはこういった意味合いのフレーズがたびたび登場していて、得意としているところなのでしょう。

そして最後の駄目押しは音嶋莉沙ちゃんセンターの『お姫様にしてよ!』です!

これがほんとに最高すぎる!

底抜けに明るく楽しいスカテイストのアップテンポナンバーですが、これイコラブの良いとこが全部詰まってる曲なのでは?

メンバー全員が適材適所で輝く、目まぐるしくリレーしていく歌割りが楽しすぎるし素晴らしすぎます!

それと今回のシングルで瀧脇笙古ちゃんにセンター曲が与えられ、メンバー全員にそれぞれの個性を活かせるセンター曲やソロ曲が行き渡ったタイミングということも相まって

【全員ヒロイン=LOVE

なんて歌詞が嘘くさくならずに説得力をもって響いてくるところもいい。全員ヒロインなイコラブ最高!と高揚感が高まりまくります。

そしてやはり指原Pの歌詞も素晴らしいです。

満員電車に揺られ、お昼休みは仮眠とりたいくらい慌ただしく働いてるけど、ランチはクリームのパスタを食べて「かわいい」は諦めないし、お姫さまになりたいと願っている。でも守ってもらってばかりは嫌で、女の子らしいかわいらしさ=甘さと強さを両立させている。


というような現代社会の中での非常に実在感があるリアルな女の子像を描写しながら、それを

【令和のプリンセスよ】

と言ってのけるのです。

指原Pの中でのプリンセス像は、ちゃんと社会に出て働いて、【守ってもらってばかりは嫌】と、男は守るもので女は守られるもの。という古くさいジェンダー観から解放されていて、そして王子様に見つけだしてもらうのではなく、能動的に【お姫様にしてよ!】と要求する現代的にアップデートされたものなのです。

この指原Pの現代的な価値観の発露はイコラブの大きな魅力と言っていいですし、やはりこれがあるからこそ女性のファンが増え続け信頼されるのでしょうね。

しかしこういった現代的にアップデートされた価値観を提示しながら、あくまで曲調は意識の高さも説教くささも感じさせない底抜けに明るい、ちょっと馬鹿馬鹿しさすら感じさせるものになっているというのが本当に本当に最高なんですよね。

年の瀬になって年間ベスト級な投下されちゃいましたね!