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Hello!Projectを中心にアイドルソング、ガールズポップ、J-POPについての感想など書きます。

イケてるぜイコラブ!軽やかに多様性を賛美する!=LOVE『Be Selfish』レビュー


リーダーの山本杏奈ちゃんがTWICEの曲を「踊ってみた」してるのを見て思いついたことなんですが、なんとなく状況的に今のイコラブはITZY、NiziUと妹分グループが出来て、それまでのかわいい路線から大人っぽい本格派な路線に舵を切ったTWICEと似てるなと。
そういえば、前作『あの子コンプレックス』は、これまでになくシリアスで、ぐっと大人っぽい雰囲気を纏った楽曲で、キャリアを重ね、妹分グループも増えたイコラブの次のステップへの移行というもの意識させるような曲でした。
なのでイコラブの今後進むべき方向性のロールモデルになるのはTWICEかもしれない…と思っていたところにやって来たのが、K-POP風な11枚目シングルの『Be Selfish』です。
初聴で「TWICEっぽい!」と思いましたね。まぁ最近のTWICEというよりは、路線転換する前のTWICEなんですが(笑)

軽やかでポップなK-POP風のダンスナンバーというのは、『What you! What you!』や『ウィークエンドシトロン』など、これまでもイコラブはコンスタントにリリースしていて、取り立てて珍しくもないタイプの曲なのですが、確実に『Be Selfish』は、そこからきちんと次のステップに進んだことを実感させる曲になっているのが素晴らしい。
現代的で社会的に意義のある価値観、メッセージを発信する、時代の先端を行くような、すごく「イケてる」雰囲気を纏ったグループだというイメージを持たれるような打ち出し方に成功していると思うのです。
主にその要因になっているのはやはり歌詞でしょう。
「周りの目なんて気にせずに自分らしくいよう」という大枠のテーマ、メッセージは、これまでのイコラブの楽曲でいえば『いらないツインテール』や『Sweetest girl』あたりと同じなんですが、そこからもう一歩踏み込んで「多様性」を賛美するような内容になっているのです。
【性別なんてさ必要じゃないんだし 誰を想ってても 恋をしてても してなくても 君は君だよ】
性別なんて必要ない。というのはだいぶ踏み込んだなと思います。個人的に性別は必要ないというのは引っ掛かるところもあったりしますが、おそらく言いたいであろうことは、性別による役割の固定化や、「男らしさ」「女らしさ」なんていうものは必要ない。ということでしょう。もっと言えば、自分の性別をあえてどちらかに決定しないというタイプの性自認の人や、LGBTQのQの部分にあたる人たちのことを念頭に置いている歌詞だとも受けとれます。
(そういえば5周年コンサートのときに齊藤なぎさちゃんがMCで「女の子ー!男の子ー!どっちでもない人!」という煽りしていて、多様性に配慮できてて素晴らしい!と思いましたね。彼女が出演したドラマでは、自分の性別をあえて決定しないという選択をしたキャラクターが出ているということもあったのでしょうが、この曲の歌詞が発するメッセージがきちんとメンバーにも伝わっている気がして嬉しくなりました)
【誰を想ってて 恋をしてても してなくても】という部分は、恋愛至上主義的な社会のムードに対して違和感や疎外感を持っている人や、いわゆる無性愛者の人たちへ向けての言葉ではないでしょうか。
こんな感じでありとあらゆる価値観を持った人たちへ射程を広げた上で、
【君のままで生きて欲しい 君のパレット好きな色だけで 普通はこうだってそんな言葉 空の彼方へ投げ捨ててあげる】
と言ってみせます。
上記にあげたようなマイノリティのひとたちだけでなく、いまこの社会で生きづらさを感じているすべての人たちへ、君は君なんだから君の好きなように生きなよ。というメッセージを発しているのです。
しかもこんな歌詞をさらっとさりげなく、軽やかに説教くさくもなくポップに発信できてるから凄い。こんなこと出来てるの日本のアイドルグループでメジャー所ではイコラブくらいじゃないでしょうか。
こうやって社会的に意義のあることを歌うということも大人になるということのひとつ現れだと思いますし、グループの「成長」を見せるということにも成功していると思います。
あとやはり特筆すべきは今回のメンバーのビジュアルでしょう。日本のアイドルグループとしては結構攻めてるかなと思いますが、とても新鮮でいい。
様々なカラフルな髪色とそれぞれの個性を引き立てるな髪型。多様性の大切さを歌っているのに、みんな一律に同じような雰囲気だったら説得力ないですからね。とても良いと思います。
メイクもK-POP風。意思の強さを感じさせるような雰囲気になっていてこれもかっこいいですね。
音楽的なクオリティの高さもしっかりと合格点を上げられますし、『Be Selfish』はイコラブの価値をもっと高めるような曲だと思いますし、そういう意味でも、もっともっとこの曲の良さが広まるといいなと思いますね。

カップリングにも軽くふれておきましょう。

とても淡く切ない雰囲気の恋愛ソング『好きって、言えなかった』

歌い上げすぎない控えめで繊細な歌唱でもすごく感情を高めてくれて、メンバー全員の歌唱力、表現力の高まりを感じさせてくれます。なかでもセンターの野口衣織ちゃんのファルセットが印象的。もともと上手いですが、さらにこの曲で表現の幅を広げた気がしますね。

佐々木舞香ちゃんのソロ曲『真夜中マーメイド』

幅広い層に受けがよさそうな間口の広い、高クオリティなポップナンバー。『あの子コンプレックス』との関連性を深読みしたくなるような歌詞とMVも良いですね。

そして最後は大谷映美里ちゃん&齊藤なぎさちゃんによるユニット曲『わたし、魔法使い』

個人的にこれがカップリングでは一番好き!
おしゃれかわいい!
YUU for YOU氏によるアレンジがセンス良くて本当に好み!
なーたんの高めツインテール最強!みりにゃもかわいいし本当に最高のユニットです!

そしてプラチナ期モーニング娘。の領域へ。転換点での高い完成度。=LOVE『あの子コンプレックス』いつもより速攻レビュー。

いつもならカップリング曲のMVがすべて出揃った段階でレビューを書いてたんですが、運良くコンサートツアーの渋谷夜公演での初披露の場に、しかも双眼鏡がいらない前目の席で立ち会えまして、その時の気持ちの昂りが冷めないうちにレビューを書いてしまおうと思い、今こうしてスマホをポチポチしている次第であります。
イコラブファンならお分かりでしょうが、休養していた時期を除いて、これまでの=LOVEシングルの表題曲すべてでセンターを勤めていたひとみんこと髙松瞳ちゃんが、今回の曲からはセンターを降板するという発表が事前になされていました。
これはグループの根底を覆すくらいのビッグなニュースですよね。
ひとみんの気持ちの問題という面が大きいにせよセンターが交代する、妹グループがもうひとつ増え、結成5周年を迎え、シングルも10枚目というひとつの大きな節目の「次」というタイミング。=LOVEが新たな方向に舵を切る大きな転換点になるぞ。という予感を感じずにはいられず、今回の初披露に対して自分としてはいつもよりも身構えてしまっていた訳ですが。
いやなんというか、コンサートの初披露が本当に初披露か?というくらいに、堂々とした胸を打つパフォーマンスで圧倒されてしまいました。
こちら側の今回のシングルに対する向き合い方の気合いに対して、それを上回る気合いでうっちゃるような強さがあったというか。
イコラブメンバーにもいつもよりエモーショナルにならざるを得ないところがあったことは想像に難くないところでしょう。とにかく感動しましたね。
曲調は非常にシリアスなムードを纏っている、とにかく歌で聴かせるタイプの楽曲で、イコラブメンバーの歌唱力、表現力の高さが存分に活きる曲だと思いました。イコラブのこれまでの楽曲でいえば『ズルいよ ズルいね』や『虹の素』の系譜の曲です。
個人的にはプラチナ期モーニング娘。の『しょうがない夢追い人』や『なんちゃって恋愛』あたりを思い起こしたりしたんですが、高スキル高パフォーマンス集団として成らしたプラチナ期モーニング娘。の領域にイコラブも足を踏み入れてるなとも真剣に思いましたね。

アイドルの「成長」ということを、どのように見せていくかということは、キャリアを重ねたグループの課題としてあるわけですが、その正統なやり方はやはりパフォーマンス力やスキルの高さを全面に打ち出していくというやり方ではないかと自分は思っています。
アイドルのひとつの売りとして「フレッシュさ」という物がありますが、やはりキャリアを重ねていくとそこでの勝負は辛くなってくるわけで。
卒業と加入を繰り返してメンバーを入れ替えるシステムを取らないならなおさらです。
ならイコラブが今後、よりパフォーマンス力の高さを売りにしていくという方向性があってもいいんじゃないかと、『あの子コンプレックス』を聴いていると思いますね。これまでやっていた事との整合性がきちんと取れてることが条件ですけど。

楽曲のもっと細かいところや歌詞、MVについて話を移しましょう。

曲調は前述したようにシリアスなムードの、マイナー調の歌謡曲テイストが強い曲になっています。
とはいえ、そこまでのコテコテ感もなく、洗練されたムードもあり、ギリギリ古臭くはなっていないところが絶妙ですね。
やりすぎない、程よい所にあえて留まっているかのような上品なアレンジと、イントロやサビ終わり、Dメロ終盤のコード進行とメロディの一工夫が良いですね。
歌詞は今回も素晴らしい。指原Pはなぜか失恋ソングだと筆がいつもより詩的に冴え渡りますね。
今回の歌詞は正確には失恋ソングというより、ひとつの恋愛の終わりを予感している女性の、付き合っている相手への気持ちが冷めていく過程と、もうこの恋は昔みたいに純粋なものには戻らないという切なさと、それでもたちきれない未練を歌っている曲ではないかと。

【冬までの粉雪は 汚れた雨に変わってた】

冒頭のワンフレーズで、恋の始まりのころは真っ白で綺麗な粉雪のように純粋だった恋心が、時間の経過とともに、以前とは違う汚れた雨のような純粋な物ではなく、不安や相手への不信が心を占めるようになってしまっていた。という主人公の恋の状況と心境を詩的に、そして簡潔に描写する手腕がお見事です。
そして恋を雪に比喩した歌詞と呼応するように「白」をキーポイントの色として配置したMVが、楽曲の世界観により深みを持たせます。



硝子を隔てた向こう側で、傘の中で彼と寄り添う、カフェで微笑んでいるもうひとりの自分(今回のシングルのセンターの佐々木舞香ちゃん)が着ている服の色は何色か?
それは粉雪のような「白」つまり彼女が見ているのは、かつてのまだ純粋に相手を想っていた幸せな時期=白い粉雪のようだったころの自分の幻影なのです。
MVと楽曲は別物ではなく、お互いに補完しあってひとつの一貫した世界観を作り上げるものだとしたら、今回のMVは100点に近いのでは?
『あの子コンプレックス』はトータルの完成度はとても高いと思いますね。衣装ふくめ。
カップリング曲も、そしてこれからのイコラブが本当に楽しみになりました!

充実の3周年。≠ME『チョコレートメランコリー』レビュー!

メジャーデビューから一年も経たないうちにサードシングル発売となったノイミーこと≠MEですが、姉妹グループ=LOVEのサードシングルがそれまでの王道的な路線から外れたダークな世界観の『手遅れcaution』だったことから考えても、指原プロデュースサイクル的にノイミーでもここらで王道から外れた変化球を投げてくるだろうという予測は事前にありましたが、その予測通りになりました。

そんな指原プロデュースサイクルと、リリースタイミングがバレンタインデー近くというタイミングがなかなかに良いマッチングを見せた佳作だなというのが、サードシングル表題曲『チョコレートメランコリー』の印象です。

前述の『手遅れcaution』や、同じく=LOVEの『祝祭』と同路線のダークでゴシックなサウンドと世界観で、想いを寄せる相手にチョコレートを作り渡しに行く女の様子を描いたバレンタインソングな訳ですが、そこに乗る歌詞が一捻り効いています。 「重たい女の愛憎を描いた」という表現も生ぬるいような、ちょっとサイコスリラー的と言ってもいいような代物になっていて、ゾクッとさせてくれるのが良い。

ラストのフレーズが!背筋が凍るような衝撃が走りました…。やられた!

個人的にはダークでゴシックな曲好きなんで嬉しいですし、アイドルのバレンタインソングとしても、これまでになかったような新鮮な物になっているところも含め素晴らしいですね。

あとやはり指摘しなくちゃいけないのは、=LOVEもそうですが、立ち返るべき基本の王道スタイルがきちんと確立できているからこその変化球というところですね。だからこそ安心して楽しめるのです。

メンバーの歌唱的にはやはりまず特筆べきは、Dメロの蟹沢萌子ちゃんが二重人格味を見せる【こっち見て喜んで そんな目で震えないでよ】でしょう。

萌子は外に向かって激しく発散するような表現よりも、淡々と冷めた雰囲気で狂気を表現する方が上手いのかな?と思いました。手遅れcautionカバーでのパフォーマンス見てもそう思いますね。

落ちサビの冨田菜々風ちゃんの静かなる狂気表現も素晴らしい。

あとはやはり菅波美玲ちゃんの台詞【一緒に行くって約束したでしょ】も。

美玲ちゃんはそのアイドルらしさ溢れる歌唱で、どちらかというとかわいらしい曲でその声が映える印象が強いですが、今回の台詞はイケボで決めてくれました!

美玲ちゃんにとってもノイミーというグループにとっても幅が広がったなという印象ですね!

カップリングは今回も3曲。

毎度毎度カップリングにも力入ってて頭が下がります。

まずはなつみんこと川中子奈月心ちゃんセンターの、繊細で内省的な雰囲気のギターロックナンバー『君はスパークル』が良すぎます。

ちょっと面倒臭いタイプのアイドルヲタクの、推しメンへの気持ちを歌った曲なんですが、とても詩的で切実で切なくてグッと来る。

アイドルヲタクじゃない人にも響く普遍性というか、むしろ共感できなくても、ねじ伏せるように良い曲だなと思わせる強さがちゃんとあると思います。

センターのなつみんの歌声には切なさ喚起力があるというか、切ない曲に映えるので(ツアーでの『月と水鏡』良かった)、彼女の歌声が最高に活かしきれていて本当に素晴らしい。

あとは一番Bメロ【ただこの広い空間で星に混じって】での、ももきゅんこと櫻井ももちゃんのウィスパー気味の歌唱が絶品!

この曲は他のメンバーの歌唱も全体的にレベルアップしたなっていう印象もありますね。

『虹が架かる瞬間』は、櫻井ももちゃんが休養中というグループの現状を踏まえつつ、未来へと誓いを新たにするような、優しくも壮大な雰囲気が感動的な一曲。物語性というやつですね。ノイミーの熱心なファンなら涙すること必至でしょう。

ファンの間でずっと語り草になるようなそんな一曲。

休養中の櫻井ももちゃん、今回のシングルのレコーディングには参加していて、その歌声を聴かせてくれてありがたい限り!

ももきゅん推しの自分としては、不安な気持ちでいっぱいでしたが、これでポジティブな気持ちで帰りを待てます!

ここまでの3曲がどれもズシンと来る重ための曲なので『#おふしょるにっと』の、いかにもカップリング曲という感じの肩の力が抜けた雰囲気にはほっとさせられます。

谷崎鈴木菅波尾木によるユニット曲です。破壊力抜群の4人。

好きな人を振り向かせたいけど、彼のタイプと私の好みは違う。でも自分は曲げたくないし、自分は自分らしくいたままで彼を振り向かせたい。という内容の歌詞。

こういう肩の力が抜けた曲でも、さりげなく今どきの価値観を忍ばせてくるあたりが、いつもの指原節という感じですね。やはり信頼できる!

全員ヒロイン!=LOVE『The 5th』

イコラブ10枚目シングルの表題曲『The 5th』は超王道のクリスマスソングになっています。

10枚目なのになぜタイトルが「5th」とややこしいことになっているのかという部分、熱心なファン以外には説明が必要なところですよね。

これ2枚目シングル『僕らの制服クリスマス』の歌詞の主人公カップルが4年後に5回目のクリスマスを迎えたことを描いた曲なんですね。5回目のクリスマスだから『The 5th』。そしてその4年、5回目のクリスマスという時間の経過は『僕らの制服クリスマス』リリースから今回の『The 5th』のリリースまでの間隔と同じなんですね。

初期の頃からのファンにとってはその月日の流れによってグループとメンバーの成長を感じて深い感慨を覚える曲なのでしょう。

今回のこの仕掛けは外向けにバーンと打ち出したものというよりは初期の頃から熱心に応援してくれたファンへ手渡す特別なプレゼントという感じでしょうか。 

小粒ながらも大事に愛でたくなる、ぬくもりと優しさに溢れた曲の佇まいもそれにふさわしいという感じがします。

どうせならこの歌詞のカップルが、またさらに月日が流れてどうなっていくのかをこれからも描いていってほしいなと思いますね。結婚とかしちゃうのかなぁ?

というところで表題曲の話は切り上げて、カップリング曲を熱く語らせてもらっていいですか?!今回もカップリング曲は3曲用意されたのですが、これが全部良いのです!

これまでのシングルのカップリングも良かったですが今回はこれまでに増して特に素晴らしいと思います!

まずは大谷映美里センターの楽曲派ホイホイな1曲『Poison Girl』

キャバレーミュージック的な大人な夜のムードと退廃的なムードを醸すクールなエレクトロスウィングナンバーです。かっこいい!

ミニマルなサウンドも今っぽくていいですね。

もはやこういった本格派なダンスナンバーもお手のものという感じで「Danger11」とポーズをキメてみても、とても様になってますし、グループとしての堂々たる風格がドーン!と伝わってきますね。

そして『Poison Girl』とは真逆の雰囲気なのが瀧脇笙古ちゃんセンターの爽やかなポップナンバー『BPM170の君へ』です。

なんの変哲もないストレートなポップナンバーなのに、特別な魔法がかかっているかのような輝きがこの曲に宿っているのは何故でしょうか?初めて聞いたときあまりの清々しさと爽やかさに胸が締め付けられて泣いてしまいました。

もちろんイコラブ文脈的にはメンバーのなかではどちらかというと歌もダンスも劣等生的な立ち位置で、メンバーで唯一センター楽曲をまだ貰っていなかった笙古ちゃんがついにセンターを掴んだ曲という感動もあると思います。

しかしそれも曲が良くなければ本物の感動とはならないわけで、この曲はそういう意味で最高の出来じゃないですかね?

歌詞の走る速度と恋する相手への想いの強さの上昇を音楽のテンポを現すBPMという言葉で表現したところの面白さもなかなかですが、個人的に歌詞でやはりグッと来てしまうのは

【君に会って なんとなく 変われたよな 気がするよ 自分の事 もっともっと 大切にしたいし 好きになりたいんだ】

というところです。

恋することで自分が見てきた世界が変わる、自分自身に対する気持ちも変わっていくという、副産物なんだけど、本当に大事なことを獲得することができる恋の素晴らしさを表現していて凄くいい。

指原Pの歌詞にはこういった意味合いのフレーズがたびたび登場していて、得意としているところなのでしょう。

そして最後の駄目押しは音嶋莉沙ちゃんセンターの『お姫様にしてよ!』です!

これがほんとに最高すぎる!

底抜けに明るく楽しいスカテイストのアップテンポナンバーですが、これイコラブの良いとこが全部詰まってる曲なのでは?

メンバー全員が適材適所で輝く、目まぐるしくリレーしていく歌割りが楽しすぎるし素晴らしすぎます!

それと今回のシングルで瀧脇笙古ちゃんにセンター曲が与えられ、メンバー全員にそれぞれの個性を活かせるセンター曲やソロ曲が行き渡ったタイミングということも相まって

【全員ヒロイン=LOVE

なんて歌詞が嘘くさくならずに説得力をもって響いてくるところもいい。全員ヒロインなイコラブ最高!と高揚感が高まりまくります。

そしてやはり指原Pの歌詞も素晴らしいです。

満員電車に揺られ、お昼休みは仮眠とりたいくらい慌ただしく働いてるけど、ランチはクリームのパスタを食べて「かわいい」は諦めないし、お姫さまになりたいと願っている。でも守ってもらってばかりは嫌で、女の子らしいかわいらしさ=甘さと強さを両立させている。


というような現代社会の中での非常に実在感があるリアルな女の子像を描写しながら、それを

【令和のプリンセスよ】

と言ってのけるのです。

指原Pの中でのプリンセス像は、ちゃんと社会に出て働いて、【守ってもらってばかりは嫌】と、男は守るもので女は守られるもの。という古くさいジェンダー観から解放されていて、そして王子様に見つけだしてもらうのではなく、能動的に【お姫様にしてよ!】と要求する現代的にアップデートされたものなのです。

この指原Pの現代的な価値観の発露はイコラブの大きな魅力と言っていいですし、やはりこれがあるからこそ女性のファンが増え続け信頼されるのでしょうね。

しかしこういった現代的にアップデートされた価値観を提示しながら、あくまで曲調は意識の高さも説教くささも感じさせない底抜けに明るい、ちょっと馬鹿馬鹿しさすら感じさせるものになっているというのが本当に本当に最高なんですよね。

年の瀬になって年間ベスト級な投下されちゃいましたね!

IZ*ONEの物語が再び動き出す・・・。クォン・ウンビ『OPEN』&チョ・ユリ『GLASSY』&AKB48『根も葉もRumor』レビュー。

予定通り2021年の4月末をもって解散したIZ*ONEのメンバーたちですが、あまり間隔も開けずに、それぞれの「その後」の動きが活発になってきました。

まず口火をきってリーダーだったクォン・ウンビちゃんがEP『OPEN』でソロデビュー。

なんといってもリード曲の『Door』がソロデビューを心から祝福できるような素晴らしさ!

ゴージャスでありながらどこか清涼感溢れるムードがウンビちゃんにぴったりなエレクトロスウィングナンバーです。

いわゆるガールクラッシュ的なところとは一線を画すような、洗練されたおしゃれなかっこよさが最高!さらに優雅さ、サビメロの空間的な広がりがあったりする所なんかはIZ*ONE楽曲と地続きな関連性を感じたりしてWIZ*ONE的にワクワクしてしまうところです!

その他収録曲では、ミニマルなサウンドで穏やかな前半中盤からエモーションが波のように押し寄せる終盤へ。という展開がドラマチックなオルタナティブR&B?『Blue Eyes』がいいですね。

IZ*ONE時代にはユリやチェウォンといったメンバーの影に隠れて、あまりフィーチャーされることがなかった歌唱力の高さを改めて認識できるバラード『Rain』『Eternity』も聴きごたえあります!

 

そしてウンビちゃんに続いて10月にソロデビューしたのが、IZ*ONEでナンバーワンの歌唱力を誇ったチョ・ユリです。

そのデビュー曲『GLASSY』がこれまた最高!

都会的なハウス、ディスコナンバーですが、どこか肩の力が抜けたレイドバックしたムードがおしゃれだし、なにより最高に心地いい!

サウンドもですが、ちょっと抑え気味なユリの歌唱もすごく心地いいですね。

ユリのかわいらしさも充分に活きてるしケチのつけどころまったくなし!

ファルセットをウィスパー気味に歌うユリの技巧にうっとりするカップリングのミドルテンポのポップナンバー『Express Moon』もお聴き逃しなく!

 

日本に戻る選択をしたメンバーも負けてはいません。本田仁美ちゃん(ひぃちゃん)ですが、AKB48の新曲『根も葉もRumor』の選抜メンバーに選ばれ、センター脇のフロントポジションを任されました。

まぁ韓国での活動で大舞台を経験し、「華」を身に着け、世界的な知名度も高めたのですから、当然といえば当然の措置だとは思いますが、そうするからにはそんなひぃちゃんの存在感にふさわしい楽曲をちゃんと用意できるんだろうな秋元康コノヤロー!と思ってしまうところ。

しかし『根も葉もRumor』これがなかなかいいじゃねぇかコノヤロー!という具合に良い意味で期待を裏切ってくれました!

やけっぱちともいえる前のめりな勢いが熱いディスコ歌謡で、今の感覚からすると古臭いとこもなくはないですが、そこを差し引いてもかっこいいと思わせる説得力があると思います。

曲自体もいいですがなんといってもやはりダンスパフォーマンスが見どころ。キレキレな本格感と集団芸としての面白味が融合していてとてもいい。

特に間奏部分の一糸乱れぬメンバー全員の動きには素直に「すげー!面白い!」と思いましたね。

PRODUCE48で印象的な活躍をした下尾みうちゃんや千葉恵里ちゃんも参加してることもあって、個人的にはAKBのシングルリリースに伴う活動を過去一くらいに楽しんでるかも・・・。

 

それにしても元IZ*ONEメンバーのそれぞれの活躍に、解散の悲しさを忘れるくらい楽しんでいる自分がいますねぇ。

まだ形にはなっていませんが、ユジンとウォニョンのスターシップ所属の二人には新しいグループの結成が用意されてるようですし、韓国の事務所HYBEへのに移籍が決定的と言われている宮脇咲良ちゃんはそこで新しく結成されるグループに参加し、そこにチェウォンと他のIZ*ONEメンバーも加わるのでは?というびっくりするような、でも実現したら嬉しすぎる計画も進行中のようでいまから楽しみですし、その他のメンバーの今後にも期待です。

解散によってIZ*ONEの物語は終わってしまった。そう考える人もいると思いますが、全然終わってないと自分は思うんですよね。

解散後のメンバーそれぞれの活動にIZ*ONEでの活動を通して得た物は少なからずフィードバックされているはずで、IZ*ONEが活動していた時と現在は断絶してるのではなく繋がっているのですから!

もう9月だけど…イコノイ夏祭り!=LOVE『ウィークエンドシトロン』編。

=LOVEのニューシングルは収録曲すべてが夏気分を盛り上げてくれる曲になっていて、まさに夏祭り!という感じです。相変わらずパッケージング力がすごい!

表題曲の『ウィークエンドシトロン』は清涼感溢れるシンセサウンドが夏っぽく鮮やかな、おしゃれかわいいK-POPテイストのダンスポップナンバー。

ひまわりをイメージしたかのような黄色の衣装も夏気分を盛り上げます。

=LOVEのこれまでの楽曲としては『What you! What you!』や『セノビーインラブ』と同タイプの楽曲だと思いますが、個人的にはこの路線がドストライクに好きなので初めて聴いたときはガッツポーズが出ましたね。

ラップ部分の作詞をまさかのフワちゃんが担当。

このラップ部分、特に前半はデタラメ英語的というか、空耳アワー的というか、日本語なんだけど日本語に聴こえないとにかく変な語感の面白さがあるなぁと。ちゃんとしたラップとは言えないかもしれませんが、これはこれで味があっていいんじゃないでしょうか。

カップリング曲は盤違いの3曲。

『夏祭り恋慕う』は、今ノリにノッてる女と自分が勝手に思っている佐々木舞香ちゃんがセンターを務める、夏祭りを巡る恋模様を描いた王道の青春ソング。

タイトルから受ける印象通りに和なテイストがもう少し強調されても良かったかなと思わなくもないですが、こちらが表題曲でも良かったなというくらいの出来ではあると思います。

個人的にはあえてカップリングくらいの立ち位置のほうがこの曲の良さは逆に引き立つかなぁと思いますね。

大場花菜ちゃんと野口衣織ちゃんがWセンターを務める『祝祭』は、少しテイストが変わってクラシカルでゴシックな雰囲気の楽曲。

怪奇的な歌詞がホラーでもあり、夏といえばホラーということでこれまた夏気分を盛り上げます。(ちょっと無理矢理かな?笑)

センターの2人が男装をしていてその他のメンバーは女性役ということで、やはりこれは大場花菜ちゃんが好きな宝塚を意識してのものでしょう。モーニング娘。のMr.Moonlightを思い出すという世代の人もいるでしょうね。

センター2人の男役のはまりっぷりも、MV含めた世界観の作りもなかなかのものでコンサートで見るのが楽しみな曲です。

そして最後に『ズッ友案件』という曲が収録されているのですが、個人的にはこの曲が今回の1推しの曲になります!

ほのかにトロピカルハウス的なテイストを感じるサウンドが夏らしい陽性のダンスポップナンバーなんですが、注目は作詞を元HKT48及び元IZ*ONEの宮脇咲良ちゃんと、その盟友HKT48村重杏奈ちゃんが担当しているというところ。

そしてその歌詞が良い曲をさらにワンランク上の物にしていると思います!

凄く今どきの女の子な言葉使いを全編に渡って使用しているのが新鮮だし、ありそうでなかったテイストがそれだけで最高なんですが、内容が、仲間賛歌というか、「うちらの仲良しグループ最高!」なんだけど、それ以上にいつか来るであろう別れの時を意識しているという物になっていてこれが泣ける!

なぜ泣けるのかといえば、メンバーの卒業や解散というものが現実的で、いつかくるかもしれない未来として切実に実感せざるを得ないのがアイドルグループというもので、
だからこそ今この瞬間を大事に精一杯楽しもう。というようなメッセージを、HKT48卒業とIZ*ONE解散というふたつの別れを立て続けに経験し誰よりも身に染みているであろう宮脇咲良が盟友と共に後輩アイドルに託したということがとても重く、そして尊いからなのです。

そして=LOVEだけでなく、すべてのアイドルグループ、アイドルだけでない今この瞬間を生きている全ての女の子たちへのメッセージにもなっていると思います。

いや女とか男とか関係ないかも。

HKT48やIZ*ONEのファンは活動中のことを思い出して泣けてしまうし、=LOVEのファンとしては今この瞬間がさらに愛おしく感じるようになる。というのが『ズッ友案件』という曲なのです。

本当に=LOVEは良い曲を貰ったなぁ…。

しかしながらプロデューサーのさっしーの思いきった人材起用も凄いですよね。

フワちゃんに、ウィークエンドシトロンのMVは峯岸みなみちゃんが監督。そして宮脇咲良&村重杏奈

確かにみんなさっしーのお友達でそういう人事だと言われたらそうなんですけど、結果的に今どき女子の感覚やセンスをフル活用しているってことになってるんですよね。

秋元康からの影響もありつつ、さっしー自身が今までのプロデュースに今どき女子の感覚をきちんと反映させていて、それが女の子のヲタが=LOVEに増えまくってるっていう現象に繋がっているのかもしれません。

おじさんが頭で考えた「女ウケ」なんて時代遅れだとなるくらいに、さっしーと今どき女子たちがアイドル界に新鮮な風をこれからも吹かせ続けてくれることを期待したいと思いますし、こういう流れが全体に波及していったらいいですよね。

もう9月だけど…イコノイ夏祭り!≠ME『君はこの夏、恋をする』編。

=LOVEと≠ME。指原莉乃プロデュースの2グループ、合わせて「イコノイ」が揃ってサマーシングルをリリースしました。

なかなか夏気分を満喫できるようなご時世ではない中で、夏気分を盛り上げてくれたこの2ヶ月連続の供給はありがたかったですね!

まずは7月にリリースされた≠MEの『君はこの夏、恋をする』について。

表題曲は夏の始まりと共に訪れた恋の予感を描いた爽やかでアップテンポな王道の青春ナンバーになっています。

ロマンチックな歌詞のDメロから【好きだよ】の流れが甘酸っぱさMAXで悶絶!そこでのメンバーの歌唱リレーが醸し出すなんともいえない、萌え感と胸が締め付けられる切なさが入り交じったような感覚はアイドルソングでしか味わえない醍醐味に溢れていて最高!

メンバーの透明感を完璧に捉えきった山戸結希監督によるMVも100億点満点!

カップリング曲は盤違いで3曲。

『薄明光線』は冨田菜々風ちゃん、櫻井ももちゃん、蟹沢萌子ちゃんと歌唱力に定評のあるメンバー3人による、壮大でヒロイックな雰囲気の、力強さを全面に押し出した楽曲。

この3人のユニットにはすごく可能性を感じますし、今後成長に従って本格派な楽曲にもっともっと挑戦してもらいたいですね。

谷崎早耶ちゃんがセンターを務める『超絶ヒロイン』は、美容やおしゃれをする喜びを歌ったキュートなポップナンバー。

一見すると、誰か(好きな人やファン?)を振り向かせたいがためにおしゃれをがんばる、努力をする。という風に読める歌詞なんですが、さりげなく挟まれる【自分を大事にしたい】という一節によって、誰かを振り向かせたいからといって自分らしさを犠牲にしてはいけない。最終的には自分のためにならなくてはいけない。ということが提示されるバランスにきちんとなっているのがとても良いです。

『ミラクル!』の歌詞も素晴らしい。

前作のミニアルバムに収録されていた、生活の中で傷ついたり、疲れてしまった心を優しく癒すような歌詞の『自分賛歌』と似たメッセージ性を持った楽曲なんですが、自分の心を優しく大切に扱おうというところからさらに一歩先へ進んで、自分を傷つけてくるような他者の心も理解しようというメッセージが込められている曲になっています。

【自分じゃない人生は その人しか知らない 魔物だってなんかきっと 理由があるって 許そう!】

【優しい人になりたい】

【1人も残さずに それぞれの そう 大事な気持ち 寄り添いたいんだ】

【その痛みを全部治したい なんて無茶なことは言わないよ 少しずつでいい(for you) 君を知りたい(follow you) 僕ら側にいるずっと】

理解するだけでなく、その心も自分の心と同じように寄り添い尊重する優しい人になりたいというところまで決意してみせています。分断が進む今の社会において凄く重たいメッセージですよね。

綺麗事に聴こえなくもないかもしれませんが、なぜかキラキラとしたアイドルたちに歌われると素直に胸にすっと入り込んでくるから不思議です。説教臭い感じもまったくない。これこそアイドルソングのマジック。

歌詞を書いたのはプロデューサーのさっしー指原莉乃さんですが、彼女がHKT48を卒業する際に後輩メンバーへ「強くて優しい、人思いの人間で、女性でいてください。」というメッセージを残していますし、≠MEのメンバーにも「思いやりのある優しい人になってほしい」という言葉をかけたとのことで、(ラジオ番組ノイミーステーションの公開収録で紹介されてました。)彼女の一人の人間としての人生哲学みたいなものが『ミラクル!』の歌詞には反映されているんだと思います。

彼女の人柄の良さが伺いしれますし、こういう素晴らしい考えの人にプロデュースされていると思うとファンとしては活動を安心して見ていられるなと感じます。そこは本当に素晴らしい。

なんだかさっしーの話しばかりしてる感じですが、もちろんノイミーちゃんたちの溌剌としたエネルギーを感じさせるパフォーマンスがあってこそ、この『ミラクル!』っていう曲が輝きを放っているのは言うまでもなし。

胸が踊るようなキュートなキラキラポップスでありつつ感動的で現代的な重たいメッセージを持つ『ミラクル!』

聴けば聴くほどこの曲本当にすごい曲です!