充実の3周年。≠ME『チョコレートメランコリー』レビュー!
メジャーデビューから一年も経たないうちにサードシングル発売となったノイミーこと≠MEですが、姉妹グループ=LOVEのサードシングルがそれまでの王道的な路線から外れたダークな世界観の『手遅れcaution』だったことから考えても、指原プロデュースサイクル的にノイミーでもここらで王道から外れた変化球を投げてくるだろうという予測は事前にありましたが、その予測通りになりました。
そんな指原プロデュースサイクルと、リリースタイミングがバレンタインデー近くというタイミングがなかなかに良いマッチングを見せた佳作だなというのが、サードシングル表題曲『チョコレートメランコリー』の印象です。
前述の『手遅れcaution』や、同じく=LOVEの『祝祭』と同路線のダークでゴシックなサウンドと世界観で、想いを寄せる相手にチョコレートを作り渡しに行く女の様子を描いたバレンタインソングな訳ですが、そこに乗る歌詞が一捻り効いています。 「重たい女の愛憎を描いた」という表現も生ぬるいような、ちょっとサイコスリラー的と言ってもいいような代物になっていて、ゾクッとさせてくれるのが良い。
ラストのフレーズが!背筋が凍るような衝撃が走りました…。やられた!
個人的にはダークでゴシックな曲好きなんで嬉しいですし、アイドルのバレンタインソングとしても、これまでになかったような新鮮な物になっているところも含め素晴らしいですね。
あとやはり指摘しなくちゃいけないのは、=LOVEもそうですが、立ち返るべき基本の王道スタイルがきちんと確立できているからこその変化球というところですね。だからこそ安心して楽しめるのです。
メンバーの歌唱的にはやはりまず特筆べきは、Dメロの蟹沢萌子ちゃんが二重人格味を見せる【こっち見て喜んで そんな目で震えないでよ】でしょう。
萌子は外に向かって激しく発散するような表現よりも、淡々と冷めた雰囲気で狂気を表現する方が上手いのかな?と思いました。手遅れcautionカバーでのパフォーマンス見てもそう思いますね。
落ちサビの冨田菜々風ちゃんの静かなる狂気表現も素晴らしい。
あとはやはり菅波美玲ちゃんの台詞【一緒に行くって約束したでしょ】も。
美玲ちゃんはそのアイドルらしさ溢れる歌唱で、どちらかというとかわいらしい曲でその声が映える印象が強いですが、今回の台詞はイケボで決めてくれました!
美玲ちゃんにとってもノイミーというグループにとっても幅が広がったなという印象ですね!
カップリングは今回も3曲。
毎度毎度カップリングにも力入ってて頭が下がります。
まずはなつみんこと川中子奈月心ちゃんセンターの、繊細で内省的な雰囲気のギターロックナンバー『君はスパークル』が良すぎます。
ちょっと面倒臭いタイプのアイドルヲタクの、推しメンへの気持ちを歌った曲なんですが、とても詩的で切実で切なくてグッと来る。
アイドルヲタクじゃない人にも響く普遍性というか、むしろ共感できなくても、ねじ伏せるように良い曲だなと思わせる強さがちゃんとあると思います。
センターのなつみんの歌声には切なさ喚起力があるというか、切ない曲に映えるので(ツアーでの『月と水鏡』良かった)、彼女の歌声が最高に活かしきれていて本当に素晴らしい。
あとは一番Bメロ【ただこの広い空間で星に混じって】での、ももきゅんこと櫻井ももちゃんのウィスパー気味の歌唱が絶品!
この曲は他のメンバーの歌唱も全体的にレベルアップしたなっていう印象もありますね。
『虹が架かる瞬間』は、櫻井ももちゃんが休養中というグループの現状を踏まえつつ、未来へと誓いを新たにするような、優しくも壮大な雰囲気が感動的な一曲。物語性というやつですね。ノイミーの熱心なファンなら涙すること必至でしょう。
ファンの間でずっと語り草になるようなそんな一曲。
休養中の櫻井ももちゃん、今回のシングルのレコーディングには参加していて、その歌声を聴かせてくれてありがたい限り!
ももきゅん推しの自分としては、不安な気持ちでいっぱいでしたが、これでポジティブな気持ちで帰りを待てます!
ここまでの3曲がどれもズシンと来る重ための曲なので『#おふしょるにっと』の、いかにもカップリング曲という感じの肩の力が抜けた雰囲気にはほっとさせられます。
谷崎鈴木菅波尾木によるユニット曲です。破壊力抜群の4人。
好きな人を振り向かせたいけど、彼のタイプと私の好みは違う。でも自分は曲げたくないし、自分は自分らしくいたままで彼を振り向かせたい。という内容の歌詞。
こういう肩の力が抜けた曲でも、さりげなく今どきの価値観を忍ばせてくるあたりが、いつもの指原節という感じですね。やはり信頼できる!